Hayato Kumagai
Hayato Kumagai
個展
光から風へ
2023.12.23-29
五風十雨

ある日 闇をぬけて
光の中へ入った

はじめに母子のすがたが見えた

母はいった あなたの中にも
すでに光はあるのだと


次に現れたのは
人の形をした天使たちだった
見えない翼が風をはらんで
この身体の輪郭を教えてくれた


気がつくと自分は
人間の入口に立っていた

手で風をつかむと

光のいいにおいがした


ここに生きている
ここで何を描こう

札幌・簾舞にて”五風十雨”の名で場を営まれる五十嵐阿実さんからお誘いをいただき、滞在制作と展示をおこなうこととなりました。
数日間簾舞に滞在し、土地にふれ、そこでうまれめぐるものの声をききながら、自分の源(おおもと)へ帰るようにして絵を描き、言葉を書けたら、と思っています。

展示、という以前に
そこにただ在り、ただ描くことを今このときにしてもらえたらと
あみさんからそのような後押しをいただけたこと、ほんとうに有難かったです。
何が生まれるのか、どのような展示になるか今はわかりませんが、
それでいいし、それがいいのかもしれない、と思っています。

見届けていただけると嬉しいです。

✳︎

直接足をお運びくださった方も、オンラインを通じて見守ってくださった方にも、心より感謝いたします。繰り返し足を運んで下さった方もいらしたと聞いて、嬉しい限りでした。

五風十雨の空間では終始、粲々(さんさん)とした光が満ちあふれていました。それはひとえに窓から降りそそぐものだけでなく、あみさんがここに光と風を通したこと、かたわらの草木花や山々がおりなす風光、そのなかで時をわすれてあみさんが遊び、祈りながら生まれていったものたち、それを機縁に集まったすべての方たち、幾つものまどい、
それらの環がめぐりめぐり、無数の結晶をなして、雪のように降り積もっていったなかでかがやくものでもあったのだと思います。

今回展示をするにあたり、その尊い循環の一端に触れさせていただけたこと、あみさんとの関わりを深められたことは、何よりも嬉しい限りでした。

他方、展示という新しいひとつの風であっても、内へ内へと臆していたところの風、それも静かでほとんど動きのなかった風をここに持ってくることを、どうだろう、とためらう自分もいました。(きっと自分だけではなかった、と思います)
ただ、今年を一字であらわすなら「嵐」と呼ぶにふさわしい日々を過ごしてきた身にとって、それが何よりもなじみ、新鮮であることもまた事実でした。

少なからぬ節目をむかえ、今も変化の中にあるあみさんがこの展示に光を当ててくれたこと、風を見出してくださったこと
それをうけて、僕の中でもふたたび流れはじめるものがあったように思います。
今ここでこそ変わることができたら、それはもう一番わかりやすいのですが、時間を度外視していいなら、先取りされてあるものの開く音を今かすかでも聴けたなら、それでいい、とも思うのです。
こんなわがままにお付き合いいただけたこと、あみさんには感謝しかありません。本当にありがとうございました。

写真最後の一枚は、展示を観に(においに?)来てくれたお客さまと散歩にいくところ。いろいろと懐かしい気持ちになりました。