宙に兆す
space FLAT
地上にちらばる無名の神話たちを
この世でもあの世でもない
「他ならぬどこか」のことを
宙の無数のまなざしが
自らの来し方行く末を告げる
光と風がかけめぐって
全身が根元からざわつく
さあ 旅に出よう
昨年の秋から冬にかけて、 今までの作家活動の括りとして長さ5m以上に達する巨きな絵を描きました。それは今後、世界を巡る旅に出ると決めた自分にとっての通過儀礼でもあり、あたかも何かとの契りを交わすようにして、最後には絵の中心に自らの血と手で印(sign)をきざみました。
今回の個展は、この巨大な絵を巡回する初の展示となります。根源的なものを追い求めて絵を描き続けてきたその道程をしるすと共に、作家自身にとっても、この先の旅の道標となるような展示となることを希っています。
【期間中イベント】
「おなじ宙を謳う」
2019.6.9(日)
出演:baobab
2004年結成。Maika(歌/fiddle) と古楽器製作家でもある松本未來を中心としたアコースティックサウンドを奏でる兄妹。アイリッシュ、古楽、フォークを自由なアレンジとスタイルで表現する。2007年のニュージーランド全20公演の海外ツアーを経て4枚のアルバムをリリース。自主制作でつくられたアルバムはインディーシーンでロングセラーを記録。毎年春には、カテリーナの森で、森全体を自らデザインし、自然環境と人、音楽やアートと暮らしの融合をテーマにした音楽祭”Sing Bird Concert”を主催。多くの共感者を集め、地域からの表現発信の核となっている。
hachapuriによるブリヌイ(ロシア風パンケーキ)の出店あり
6/7(金)8(土)9(日)14(金)15(土)
この場所にお集まりくださったすべての方々、そして旅立ちのためにこのうえない機会を与えてくださったオーナーのイルボンさんに心より感謝します。ありがとうございました。
9日には演奏会「同じ空を謳う」と題して、大きな絵の下で演奏会が行われました。baobabによるオリジナル曲はもちろんのこと、グレゴリオ聖歌や宮沢賢治の「星めぐりの歌」など、時代や場所をさまざまに変遷し奏でられてゆく音楽は、天井の絵とも呼応して、かつて見たどこか、あるいは未だ見ぬ風景を幾つも呼び覚ましてくれるかのようでした。
五月のSingBirdConcertにも参加されていた金子鉄心さんも途中加わり、イーリアンパイプスとティンホイッスルを演奏。先月、カテリーナの森で感じた幾つもの光と風を思い出しながらも、ここでまた広がる音の豊かさに、身体いっぱい喜びを感じていました。
音楽っていいな、言葉にすると単純だけど、そのことを今までになく新たな気持ちで抱けているのは、カテリーナという場所との出会いがあったからこそなのだと思います。
作家活動を区切る前にまたひとつ、忘れられない思い出が増えました。この日のために大分からお越しくださったbaobabの未來さんと舞香さん、飛び入りで参加してくださった鉄心さん、ご来場くださったみなさま、本当にありがとうございました。