"Light of the beginning" at Catherina Woods, Oita May 2019


今から約三年半前、「はじまりの灯」という題名で一枚の巨きな絵を描きました。

それはおよそ三年にわたり、「絵の変容を巡る旅」を続けてきた自分にとって一つの終着点であったと同時に、
この先における「世界を巡る旅」のはじまりを告げる、旅の道標のような存在でもありました。

自分にとってこの絵は何だったのか。この絵を巡り起こった一連の出来事たちは、一体何だったのか。
自ら描いたものについて語ることほど滑稽なことはないと分かっていながらも、その思いは日毎に増していき、
居ても立ってもいられないまま、気がつけば少しずつ文章を書きはじめていました。

すぐれた文章を書くちからが自分に備わっているなどとは思っていません。
けれどそれでも、この絵のことを物語のようにして綴ることで、
もし誰かの内なる灯と呼応するのであれば、それを残す意味はあるのかもしれないと思いました。

ここに一冊の本のようにして、物語を残しておこうと思います。
何よりもこの先、旅立つ自分のために。

2022.11.6 熊谷隼人

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