北海道・幕別町のお店"灯里"に飾るために制作した絵。
春の萌芽に踊る、つがいの鹿。

かつて自分が制作した巨きな絵の中にも「花の降る谷」と自らが呼ぶ春の一場面がある。そこでは初春に咲くマグノリアが人々のもとに、やわらかな雨のように降っている。
春の雨はたちまち花を散らすけれど、地面に列なる無数の花びらたちが自分にとって不思議とあかるく、温かな記憶として残っているのはなぜだろう。
絵の中にも雨が降った、春の雨は好きだ。