一日限りの即興制作
drawing on the star
2019.03.02
熊谷隼人 個展 「存在の祭りのなかへ」
関連特別企画

@ 浜松市鴨江アートセンター

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「はじまりの灯」 2019.02 ネパール手漉紙に彩色 3640×5460mm

2019年2月下旬、浜松市鴨江アートセンターにて
開催した、個展「存在の祭りのなかへ」。
この展示にむけて、絵描きは高さ3m以上に達する巨大な絵を描き、
最上階の3階にある、館内でもっとも大きな部屋に展示しました。

2019年3月2日。
この絵を祭りの軸に見立て、ひとつの催しを行いました。
名を「この星で描く」と称し、絵描きや詩人、ピアニストなど
ゆかりのある様々な方たちをお呼びして、
観客も交えた一日限りの即興制作をしました。
みんなで同じ紙のうえに絵を描き、そこから場が生まれていくこと。
自分にとっては、まさに夢のような時間となりました。

あれから随分と月日が経ってしまいましたが、
当日の写真たちをもとに、ふとした時に見返せるよう
ここに祝祭のあしあとを残しておきたいと思います。

SCHEDULE

第一部

めばえる
13:00~15:00
観客参加型ライブコラージュ

中村菜月
 絵描き

絵、思考、言葉、日用品などの様々な制作や作品と人との関わりを通し、人間や世界のかたちについて考察している。
のなかあやみ
 絵描き

埼玉県出身浜松市在住。だれかの”とっておき”になるような、近くに置いておきたくなるような。そんな絵を描くことを大切にしています。

第二部

ふるえる
15:30~16:00
朗読と演奏

池田彩乃
 詩人

2010年より私家版詩集の制作を始める。詩集の他、朗読、映像、インスタレーションなど媒体を問わず詩の傍らで制作を行う。春生まれ。
なつみ
 ピアニスト

風にゆれる 洗濯物、昼寝しすぎた休日の 夕陽、お母さんの まなざし、夕ごはんの におい。流れゆくときのなか にある、うつくしい瞬間を音にしたくてピアノを弾いてます。

第三部

めざめる
16:00~17:00
ライブドローイングと演奏

熊谷隼人
 絵描き

大分生まれ新潟育ち。動物や植物など、生命を主なモチーフとした絵を描くことをとおして、根源的な感覚を追いかけている。
zmi
 作曲家

静岡県出身。ピアノを用い、柔らかなサウンドを奏でる。アルバム「ふうね」を2015年リリースし、これまでにCMや映画への楽曲提供など数々の作品を残す。
第一部

13:00~
観客参加型ライブコラージュ
Player
中村菜月  絵描き
のなかあやみ  絵描き
空間には、 個展で描かれた一枚の絵と、その日描かれていく一枚の絵が、それぞれ対になるように置かれてあります。中心にはふたりの絵描きがいて、彼女たちと同じようにみんなで紙であそび、木に果実を宿してゆくように、その日描かれていく絵の中にそれらを貼っていきました。
14:30~
Piano improvisation

Player
Hirofumi Maeda
Natsumi
zmi
ずっと、ずっと大昔
人と動物がともにこの世に住んでいたとき
なりたいと思えば人が動物になれたし
動物が人にもなれた。
だから時には人だったり、時には動物だったり、
互に区別はなかったのだ。
そしてみんながおなじことばをしゃべっていた。
その時ことばは、みな魔法のことばで、
人の頭は、不思議な力をもっていた。
ぐうぜん口について出たことばが
不思議な結果をおこすことがあった。
ことばは急に生命をもちだし
人が望んだことがほんとにおこった ---------
したいことを、ただ口に出して言えばよかった。
なぜそんなことができたのか
だれにも説明できなかった。
世界はただ、そういうふうになっていたのだ。

(詩・エスキモー族「魔法のことば」より)
第二部

15:30~
朗読と演奏
Player
池田彩乃  詩人
なつみ   ピアニスト
絵が次第に豊かになっていき、日が徐々に傾いていくころ、ピアノの音が奏でられはじめます。時を同じくして、詩人によって宮沢賢治の「マグノリアの木」という短いお話が、そしてこの祝祭にむけられた、幾つかの詩が朗読されました。
地上に存在するすべての魂は
ひとつの音楽をなすようにして
孤独のままにさざめきあい
この星のもとにふるえている

おおきな円環をなすための
無数の点の集まりとして
その中心にある永遠を
やさしくつつみこむように

(詩・熊谷隼人)
第三部

16:00~
ライブドローイングと演奏
Player
熊谷隼人  絵描き
zmi  作曲家
絵から何かを呼びさますようにして、ピアノの演奏と共に絵のうえを筆がはしります。第三部の終わるとき、空間にはふたつの大きな絵が立ち上がりました。
第四部

17:00~
観客参加型ライブコラージュ
Player
ピアノ演奏  加茂歩美
祭りの最後に、いちばんはじめに遊んでいた円のなかに、この日のために集まったたくさんの方々の手のかたちをコラージュしていきました。

この日即興の制作に力を添えてくださったみなさまに、心より感謝します。
足を運ばずとも、遠くから応援してくださったたくさんの方々にも。
本当にありがとうございました。
またいつか、こんなことをやってみたいです。

2019.12 熊谷隼人



~CREDIT~

Player
Ayano Ikeda
Ayumi Kamo
Hayato Kumagai
Natsuki Nakamura
Natsumi
Ayami Nonaka
Hirofumi Maeda
zmi

Photo
Sayaka Kurata
Minori Kobayashi

Drawing
Yui Qusumi

Special Thanks
Mio Ando
Hiroki Inoue
Kunpei Fujisawa
Yousuke Sakurai
Shuya Sumitani
Tomohide Noda
Sayaka Makita
Mikaelle Bereber

And all participants.