巨きな絵の巡回展七ヶ所目
BUM(大阪・千早赤阪村)
2023/10/14~22
日暮れ時に集うごはん会にて、ARATiさんの蝋燭に照らされたBUM軒下の巨きな絵 2023.10.21
BUMの絶品スパイスカレー
在廊中、たくやくんのヘアサロンでカットしてもらった
夕暮れ時に集うごはん会 2023.10.21
最後にみんなで記念撮影2023年の巡回展最後の場所となった、大阪・千早赤阪村のBUMでの展示。
BUMは大阪唯一の村・千早赤阪村の山奥にある、築130年以上の古民家を改装して2021年にオープンしたレストラン・ヘアサロン・ギャラリーの複合施設です。オーナーのあきらが主にギャラリーを担当し、長らくあきらの友人だったたくやくんがヘアサロンを運営、あきらの奥さんであるたみちゃんとスタッフのななおさんがレストランを切り盛りしていて、絶妙なバランスでBUMという一つの場を生み出しています。
それまでの巡回展では、展示場所を営む方との関わりが少なからずあったのですが、BUMは巡回展のためのクラウドファンディングのときに支援してくれたことがきっかけで繋がった、まったく新しい出会いでした。
展示を行う半年前にBUMを初めて訪れたときから、お店やメンバーたちの寛いだ空気感に不思議と「ここなら大丈夫」という妙な安心感を抱いていたのですが、約2週間の展示滞在はその予感通りの、いやそれすら遥かに越えた日々となりました。
BUMの絶品スパイスカレー
展示期間中はパートナーの邑里さんと二人でずっとBUMに寝泊まりさせてもらったので、展示前後の滞在も合わせると約半月近くはBUMのみんなと一緒に過ごしていたことになります。
BUMに到着した最初の夜、今回展示に誘ってくれたあきらさんとは同い年ということもあり、それまで敬語でお互いさん付けだったのをやめて「はやと」「あきら」と呼び合うことに。その後数日はお互いにやけながら呼び合っていたものの、呼び捨ての効果もあってか思いのほか早く距離が縮まることになりました。
在廊中、たくやくんのヘアサロンでカットしてもらった
巨きな絵の展示は天候を考慮して、展示期間最後の土日のみ行うことになり、それまでは店内での作品展示(今回は邑里さんも一緒に展示をした)のほか、滞在制作を行いつつ、OUR songsを最初と最後の土日に行いました。期間中はBUMと繋がりのあるお客さんだけでなく、関西で自分たちと繋がりのある方たちや、遠方からも友人・知人にたくさんお越しいただき、とても嬉しかったです。
夕暮れ時に集うごはん会 2023.10.21
そんなふうに過ごしているうちに、展示終盤に予定していた巨きな絵の展示はあっという間にやってきました。21日、みんなの協力で軒先に無事巨きな絵が立ち上がり、日没からはかねてより予定していた”夕暮れ時に集うごはん会”を迎えました。
ARATiさんのうつくしい蝋燭たちに灯された巨きな絵を見ていると、何年も前に自分が書いた一編の詩をふと読みたくなり、ごはん会をはじめる時にみなさんの前で朗読することに。こういう衝動に駆られる感覚は、久しくなかったように思います。
BUMによる素晴らしいコース料理が振舞われたあと、照明を消して蝋燭の光だけで絵を灯す時間がありました。すぐ後ろには燃え立つような色をした柿の木の実たち、夜空には無数の星々と、絵の中に描いたそれと瓜二つの形をした月。そしてちょうどこの日ふもとで行われていただんじり祭の、遠くから聞こえる地霊の如き唸り声。何よりも自分が震えたのは、そのなかで黙して巨きな絵の前に佇む、人々の姿でした。
巡回展を続けていくうちに、巨きな絵という作品自体は自分にとってすっかり”過去”のものとなっていたのですが、巨きな絵の前に立ち上がる光景に驚かされることは幾度となくありました。
そしてこの日の夜、自分のなかで「巡回展の第二部が終わった」と感じました。そもそも第何部まで続くのかもよくわからないのですが、ここでまたひとつの節目を迎えたことだけは確かでした。
正直なところ、BUMでも滞在制作がうまく進められなかったり、展示作品も十分な数を用意できなかったりと、反省点は多々あったのですが、BUMのみんなと一緒に過ごした時間は大きな養分となって、その後の活動にも反映されていったように思います。思いがけず仲が深まったことで、その後も関西での滞在時にBUMを訪れては近況報告をしあったり、別の巡回展のときに食事会をお願いしたりと、親しい関係が続いていきました。
BUMでの巡回展を終えて、最後はあきらが滞在中に制作してくれた貫頭衣を身にまとい、千早赤坂村を後にしました。あらためてあきら、たみちゃん、たくやくん、ななおさん、穏やかでスパイシーな日々を、本当にありがとうございました。
最後にみんなで記念撮影