巨きな絵の巡回展

スケジュール schedule

2024

cafe matoca
3/30(土) 〜 4/7(日)
(山梨・北杜市)

橡人
4/13(土) 〜 4/28(日)
(香川・小豆島)

5月
おやまだ文化の森(三重)

7月
norm(和歌山)


※場所は決まり次第、順次追加していきます。
日程は変更となる可能性があります

作品「はじまりの灯」について

作品「はじまりの灯」について

高さ3m超にも及ぶ、生命の曼荼羅のような巨大な絵。
「存在の祭り」という原題のもと、それまでの絵描きの集大成として2018年に描かれたこの絵は、2019年2〜6月のあいだに静岡・大分・大阪で巡回展示され、ある時は屋内で、またある時は森の中で広げられました。

新たな巡回展

新たな巡回展

2023年から、巨きな絵の新たな旅がはじまります。北海道での展示を発端として、そのまま南下するように各地へと向かいます。
旅の道中で、新しい絵も描いていきます。ライブドローイング等の公開制作や参加者との共同制作をはじめ、ときには音楽や食も交えたりしながら、小さな祝祭の場を生み出していきます。

コメント 〜巡回展によせて〜

熊谷くんがふと訪ねてきてくれた日のことをよく覚えています。

カテリーナの森というところで、
14年に渡り、初夏の5月に続けてきた音楽祭「Sing Bird Concert」が最後の開催となるタイミングでした。

「カテリーナ古楽器研究所」を立ち上げ、
ヨーロッパ中世・ルネサンス期の古楽器を復元・制作してきた父・松本公博が69歳の生涯を終えた年でもあり、
わたしたちは大きな悲しみとともに
暗いトンネルの道のりを光の出口へと進むべく
この最後の音楽祭を
父への追悼の音を奏でる会とし、
それに向けて準備をしていたのです。

そんな時、熊谷隼人という絵描きの青年が
訪ねてきたいと一本の連絡をくれました。

互いの話をじっくりとしたり、
楽器や工房を大事に眺めてくれたり、
また彼の作品を拝見したり。
穏やかな午後の景色だったのを覚えています。

彼の生きてきた時間を映すような絵たちと
彼が大事に紡ぐ言葉が、
すとんとわたしたちの胸の中に響いて、
そしてわたしたちのテーマと共鳴する瞬間もあり、
2日に渡る音楽祭の象徴となるフライヤーの絵に作品を使わせてもらいたい。
と、この日にお伝えしたのです。

「祈りの夜の宴」
「森は踊る」

祈りと祝福のイメージが完成した瞬間でした。

Sing Bird Concertの日には
熊谷くんの巨きな絵の展示を森で行いました。
カテリーナ全体を守るような小高い森の奥に
巨きな絵が立ち上った時
ここが聖堂のような空間に感じました。
森に在る姿
まるでゆっくり呼吸するように ..
果てないような作業を経て描かれた景色は
神聖であり、また
自然の運行の中に身を委ねているようでもありました。

自然と人が手を繋いで
祝福される瞬間

わたしたちは音楽でも絵でも
果てない作業の中で
自然と繋がる瞬間を見つけようとしているのかもしれません。

「巨きな絵」のあたらしい旅に
沢山の光と風が降り注ぎますように。

わたしたちも旅を続けます。
Maika(baobab/カテリーナ古楽器研究所)


映画・魔女の宅急便に登場する
「ウルスラの絵」をご存知だろうか。
その絵は僕の故郷・青森県の八戸市立湊中学校・養護学級生徒たちが1976年に描いた版画作品を宮崎駿さんがモデルにしたものである。

原画のタイトルは
「天馬と牛と鳥が夜空をかけていく」
虹の上を飛ぶ船・総集編(2)からの作品。

青森では版画教育に力を入れており、僕も学校で版画を習った。幼少から通奏低音のようにこのウルスラの絵の原画がずっと静かに鳴り響いていて、どこかいつも希求している根源的な作品だ。

ある時、国東半島・カテリーナの森のお祭りに出演した際に、森の奥に巨大な絵があった。
一目でハッとした。
これを描いた人はウルスラの絵が心のどこかに共鳴しているのではないだろうか。そう感じた。
ほどなくして僕は彼にアルバム「世界」のジャケットを描いてもらった。
僕らは根源的に何か共有する大切な灯火を抱えて、舟出した。遠くにある灯台を目指して。
今はまだ薄明かりでも、夜明けまで漕げばきっと、我々はそこに辿り着けるだろう。
北へ北へと、帆船は進んでいく。

haruka nakamura(音楽家)


隼人くんは潜ってゆく。

深く深く、個を超え全も超え、あるのかないのかわからない、私たちがまだ見ぬ場所へ。

静かな佇まいの内側にあるマグマのような情動と
畏れを超え深淵を覗きに行く勇敢さを前に
私はただ立ちつくす。

そうして、彼の見た

いのちに
そこにある祝福に
絵に宿るその存在に触れ

わたしの奥の奥の
根源とも呼べるような何かが
震えるのを感じる。

きっと
響くことを待っている
望んでいる
そういう魂がたくさんある。

誰も触れることの出来ない
純粋な領域で
出逢うことになっている魂に

巡る旅に
祝福を。

鈴木 七重(チムグスイ)


プロフィール

photo by 松本慎一(トナカイ)

プロフィール

熊谷 隼人 Hayato Kumagai

1991年生まれ、大分生まれ新潟育ち。生命の根源、存在のはじまりを辿るようにして、絵を描きながら旅を続けている。
2017年より静岡を拠点に、各地で個展を開催。2019年よりいったん制作活動を休止し、世界を旅するための準備をはじめるが、感染症拡大に伴い中断。2020年より北海道に移住する。同年、haruka nakamuraとLUCAによるアルバム「世界」のアートワークを手がける。2022年より絵描きとしてふたたび制作活動を再開。

描くということ、それは風のように世界をうつろいながら至るところにイメージを芽吹かせてゆく、神さまみたいな存在だと思う。もうひとつの時間へといざなう無類の光が、そこにあると信じている。いのちが続く限り、いつまでも絵を描き続けていきたい。

「世界」 arca (haruka nakamura & LUCA) ELEPHAS 表紙

略歴

〜Works〜
「かぜつちうた」 baobab tour 2023 / メインビジュアル (2023)
「ELEPHAS」 創刊号 インディペンデントマガジン / 装画 (2022)
「生きとし生けるあなたへ」 真名井大介 詩集 / 装画 (2022)
「仲人」 Webメディア / メインビジュアル (2021)
「世界」 arca (haruka nakamura & LUCA) / CDアートワーク (2020)
「gleam」 hirofumi maeda / CDアートワーク (2019)

〜Exhibition〜
 「最初のイメージ」 絵本の店キルヤ (静岡)
 「この星のもとに」 exhibition space CLOSET (東京)
 「かたちのみなもと」 ギャラリーヨルチャ (大阪)
 「存在の祭りのなかへ」 浜松市鴨江アートセンター (静岡)
 「北を走る太陽」 マ・シマシマ (北海道)
 「ユクの木」 SoL (北海道)

旅ノート

巨きな絵にまつわる記録たち

はじまりの灯
制作記と旅の記憶

この星で描く
巨きな絵の前で行った、一日の即興制作